レズ風俗法律相談Q&A『教えて!弁護士ばやし先生!』第八弾「ネット上の誹謗中傷に関する費用と期間」
レズ風俗レズっ娘グループ代表『御坊』が、風俗トラブルに強いグラディアトル法律事務所所属弁護士ばやし先生(@_devilsadvocate)こと若林翔先生に質問していく法律相談Q&Aコラムです。
前回は「インターネット上の誹謗中傷」についての侮辱罪のほか、名誉毀損罪、信用毀損罪、偽計業務妨害、威力業務妨害などとの違いなどを教えて頂きましたが、今回は従来のケースでの「ネット上の誹謗中傷問題に関する費用と期間」にについてお聞きしてみました。
弁護士への相談費用について
まずは、弁護士へ相談する場合にかかる費用の相場を聞いてみました。
「インターネット上の誹謗中傷」の相談料について費用を教えてください。
グラディアトル法律事務所では
相談料は通常、無料です。
他の一般的な弁護士相談費用は
30分5000円~1万円程度ではないでしょうか。
着手金と成功報酬
なお、弁護士費用のうち『着手金』と呼ばれるものは、原則先払いとなります。
成功報酬については、相手からの損害賠償額の一部を報酬として支払う金額のことです。
その他、実費や手数料などもありますが弁護士費用はその内容によって様々です。
書き込みの削除請求
ネット上での悪質な書き込みを削除させる方法として、弁護士を通じて直接書き込みを削除させる方法と裁判所を通じて書き込みを削除させる方法があります。
弁護士を通じて相手に直接インターネット上での書き込み削除させる場合について費用や期間などを教えてください。(裁判外・訴訟外の任意交渉)
相手方を通じて直接削除させる際の費用はサイトの性質や、難易度によってきますが
通常の弁護士費用としては、高くて25万円程度ではないでしょうか。
サイトによって、消しやすさも異なり、ほぼ任意で削除に応じてくれるものから、絶対に応じないところまで様々です。
これは、インターネット上に動画がアップされている場合に顕著ですが、海外のサイトだと応じてくれにくい傾向があります。
期間について
期間についても、様々で最短即日となります。
費用について
現在、グラディアトル法律事務所では、通常、1レスあたり5万5千円で削除が可能です。
詳細は以下をご確認ください。
裁判所を通じてインターネット上での書き込み削除させる場合についての費用や期間などを教えてください。(裁判所の仮処分)
裁判所で、書き込みを削除する場合は、仮処分という手続がとられます。
弁護士費用について
通常、弁護士費用は20万円〜45万円程度かと思われます。
なお、裁判所において手続を行う場合、申立てに費用がかかることになります。
また、仮処分の手続においては「担保を立てさせて、若しくは相当と認める一定の期間内に担保を立てることを保全執行の実施の条件として、又は担保を立てさせないで発する」ことになります(民事保全法14条1項)。
東京地方裁判所では、削除の仮処分の場合、担保を立てさせる運用がなされているようです。
その金額は、10万円〜30万円です。
そのため、これらの費用が弁護士費用以外にかかってくることになります。なお、担保金は特段の事情がない限り、あとで手続をすれば返還されますが、それでも一時的に必要になる費用ではあります。
ーレスを削除させるだけでも相当な費用がかかるようです。
次に書き込み相手を特定する発信者情報開示請求について聞いてみました。
書き込み相手を特定(発信者情報開示請求)
書き込みする相手を特定する裁判外・訴訟外の任意交渉する方法と相手を訴え裁判でIPアドレスを開示する方法の2種類あります。
弁護士を通じて相手を特定する発信者情報開示請求する場合についての費用や期間などを教えてください。(裁判外・訴訟外の任意交渉)
任意で相手方の特定を行う場合は、サイトの管理者や日本テレコムサービスへの照会をすることになります。
費用について
費用に関しては、とる手段によりますが通常5万~20万円程度となります。
期間について
1ヶ月程度となります。
裁判外・訴訟外の任意交渉についての注意事項
ごく稀に、これで発信者情報が開示される場合がありますが
残念ながら多くの場合、この方法で特定にいたることはありません。
裁判所を通じて相手を特定する発信者情報開示請求する場合についての費用や期間などを教えてください。(相手を訴え裁判でIPアドレスを開示)
裁判所を通じて行う方法は、仮処分→訴訟の従来のパターンと、提供命令の手続(プロバイダ責任制限法)の2パターンがあります。
今回は、主に前者について説明します。
仮処分→訴訟※従来のパターン
従来の仮処分→訴訟パターンでは、仮処分でまず、サイトに情報を発信したIPを開示します。
ここで明らかになったIPアドレスから投稿者が利用しているプロバイダの契約者の情報を開示することになります。
弁護士費用について
このように2つの手続を裁判所で行うことから、2回分の費用がかかることになります。
そのため、弁護士費用は50万~80万ほどかかることになります。
また、仮処分の手続きを含むため、先ほど述べた担保金が必要になること、裁判所に対する申立費用がかかることも、同様です。
期間について
期間に関しては、実際に契約者の情報が出る(特定がなされる)までに6ヶ月~9ヶ月程度かかります。
なお、この発信者情報開示請求について、前回ご説明した、法改正がなされ、新しい制度ができましたので、費用や期間のコストを抑えられるようになるかと思います。
ープロバイダ責任制限法については次回、詳しくお聞かせいただきます。
慰謝料請求
発信者情報請求で相手を特定できた場合に損害賠償請求することが可能となります。
弁護士を通じて特定した相手に直接損害賠償請求する場合についての費用や期間などを教えてください。
任意交渉では、まず弁護士から特定した相手方に書面を行って交渉を行うことになります。
任意交渉による弁護士費用
任意で交渉をする場合の着手金は20万円程度となります。
任意交渉の期間
相手方の出方とこちらが提示する条件次第になってきますので、期間については、1週間程度から2~3か月に及ぶものまで様々となります。
裁判所を通じて相手を特定する損害賠償請求する場合についての費用や期間などを教えてください。
裁判所を通じて、損害賠償請求をする場合は、訴訟手続を行うことになります。
裁判所を通じた損害賠償請求期間について
期間ですが、訴訟のみですと半年から1年程度はかかると思われます。
訴訟する前に任意交渉するケースが多い
通常の場合、いきなり訴訟を行うケースは少なく、上記の任意交渉を事前に行い、これが功を奏しなかった場合に訴訟に移行するパターンが多いです。
そのため、実質的には、先ほど述べました任意交渉に要する期間(1週間から2、3ヶ月)がプラスされることになります。
損害賠償請求をする場合の弁護士費用
費用に関しては、弊所では、通常30万円程度となります。
※任意交渉(20万円程度)から依頼している場合は、+10万円~となる場合多いです。
ーありがとうございました
【まとめ】発信者情報開示請求から慰謝料請求までにかかる費用と期間
これまでご説明いただいた従来のケース(仮処分→訴訟)での
『発信者情報開示請求から慰謝料請求までにかかる費用と期間』についてまとめてみました。
情報開示請求から慰謝料請求までにかかる費用について
①仮処分→訴訟の場合、弁護士費用は50万~80万
②任意交渉(20万円程度)から依頼している場合は、プラス10万円~
上記、従来のケースであれば上記の①+②で
80〜110万円が総額となります。
情報開示請求から慰謝料請求までにかかる期間について
①発信者情報開示請求:半年~9ヶ月程度
②任意交渉に要する期間:1週間から2、3ヶ月
③訴訟:半年から1年程度
上記、①+②+③で
短くても1年ちょっと、最大2年ちょっとかかってくるということです。
以上
今回は従来のケースについてお話いただきました
次回は、プロバイダ改正法によりどれぐらいの作業期間が短縮されるか
またどれぐらい費用を抑えることができると併せて
慰謝料請求できる金額や刑事事件と扱った場合の示談金等を
書き込み相手からどれぐらい請求か聞いてみたいと思います。
御坊でした